ローソンの人気商品だったマチカフェのココアがメニューから姿を消し、多くのファンが「なぜ?」と理由を探しています。濃厚な味わいが好きだった方、手軽な鉄分補給として利用していた方も多いのではないでしょうか。
あのホッとする一杯がなぜ無くなってしまったのか。そこには、味の評判、原材料の国際的な問題、そしてコンビニ業界全体の戦略が複雑に絡み合っていました。
この記事では、販売が終了した背景にある複数の理由を多角的に探り、今後の復活の可能性についても詳しく解説していきます。
ローソンのココア 販売終了はなぜ?理由を探る
- ローソンのココアとは?リニューアル後の味
- なくなったのはいつ?カフェモカも?
- 主因はカカオ高騰?コストの問題
- 他社のココア販売状況
- 商品整理?アールグレイも終了
ローソンのココアとは?リニューアル後の味
ローソンのマチカフェで提供されていたココアは、多くのファンに愛されていましたが、その評価は時期によって異なっていた側面があります。
特に2022年に行われたリニューアル前は、一部の消費者から「味が薄い」「ミルク感が弱い」「ココアの風味が物足りない」といった声が寄せられることがありました。当時の製法ではお湯を使用していたため、どうしても濃厚さに欠ける印象があったようです。
このフィードバックを受け、ローソンは顧客の声を真摯に受け止め、大幅な品質改善に踏み切りました。
- 製法の変更:従来のお湯で溶かす製法を廃止し、ミルクだけで溶かす製法に変更。これにより、薄さの問題が解消され、ミルク本来のコクと甘みが感じられるようになりました。
- 原材料の強化:風味豊かなオランダ産のココアパウダーを2種類使用。これにより、カカオの香りと濃厚で本格的な味わいを実現しました。
この改良の結果、消費者からは「劇的に美味しくなった」「濃厚で冬の定番にしたい」「コンビニでこのクオリティはすごい」といった好意的な反応が多く見られるようになりました。
一方で、リニューアルによってしっかりとした甘さやまろやかさが強調されたため、ビターなココアを好む層からは評価が分かれた可能性もあります。また、高品質化に伴い価格設定も変更されたため、以前の手軽さを重視する層にとっては、購入のハードルが少し上がったかもしれません。
とはいえ、リニューアルによって味は大きく改善されており、SNSなどでの評判も上々でした。したがって、味の評判そのものが販売終了の直接的な原因であったとは考えにくい状況です。
なくなったのはいつ?カフェモカも?
2025年現在、ローソンのマチカフェの公式ウェブサイトや店頭のメニューラインナップから、ココアは姿を消しています。
販売終了に関して、ローソンから大々的な告知はありませんでした。そのため、多くのファンは、いつものように店舗を訪れた際にメニューから消えていることに気づき「なくなったのはなぜ?」と困惑することになりました。
この前、ローソンでマチカフェの
ホットココアってレジで言ってしまった…。店員さんが焦ってた。
そう、もうココアないんだな。— まさきち (@margun1234) January 3, 2025
ローソンのマチカフェ
完全にコーヒー類だけになったの残念😩
ミルクココアが好きだったし、ロイヤルミルクティやほうじ茶ラテも好きだった。ミルクココアがなくなってから滅多にマチカフェ買わなくなった— maki (@mmaaakkii) September 30, 2024
実際には、2023年頃から徐々に取り扱い店舗が減少し、現在に至ると見られます。
ここで注目すべき点は、ココアの販売終了とほぼ時を同じくして「カフェモカも売ってない」という状況が発生していることです。
データベースの情報によれば、前述の2022年のリニューアルは、「ミルクココア」と「カフェモカ」が同時に行われました。これは、両者が同じ高品質なオランダ産ココアパウダーを原材料の一部として使用する、いわば「兄弟商品」であったことを示しています。
カフェモカは、エスプレッソコーヒーにミルクとチョコレートシロップ(またはココアパウダー)を加えて作られます。ローソンのリニューアルでは、この両商品に共通の高品質ココアパウダーが採用されたと考えられます。
そのため、ココアが販売終了した背景には、カフェモカの運命も含まれていると考えるのが自然です。
「ココアパウダー」に関連する何らかの供給上またはコスト上の重大な問題が、両商品に共通して影響を及ぼした結果、同時にメニューから姿を消すことになったと考えるのが、最も合理的な推測です。
主因はカカオ高騰?コストの問題
販売終了の最も有力な理由として考えられるのが、原材料である「カカオ豆」の国際価格の高騰と、それに伴うコスト(採算性)や安定供給の問題です。
ココアの主原料であるカカオ豆は近年、世界的な需要の増加(特にアジア市場でのチョコレート人気)に加え、深刻な供給不安に直面しています(参照:国際カカオ機関、カカオ豆需給予測を更新(コートジボワール) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース – ジェトロ))
- 気候変動:主要生産地である西アフリカ(コートジボワールやガーナなど)での異常気象(干ばつや豪雨)が、カカオの生育に深刻なダメージを与えています。
- 病害の蔓延:カカオの木を枯らす病気(CSSVDなど)が広がり、生産量が大幅に減少しています。
これらの要因が複合的に絡み合い、カカオ豆の国際価格は2024年から2025年にかけて歴史的な水準にまで高騰しました。これはチョコレート業界全体を揺るがす大きな問題となっています。
前述の通り、ローソンは2022年のリニューアルで、品質の高い「オランダ産ココア」の使用にこだわりました。このこだわりが豊かな風味を生み出した一方で、原材料の価格高騰の影響を真正面から受ける結果になったと推測されます。
高品質な原材料を使いながら、マチカフェ商品として消費者が納得する手頃な価格(数百円)を維持することは、企業にとって非常に大きな経営的負担となります。
このようなサプライチェーンの不安定さや、販売価格に見合わないほどの原価の急騰(採算性の悪化)が、高品質なココアの安定供給を困難にし、最終的に販売終了という苦渋の決断に至った大きな要因である可能性が極めて高いと考えられます。
他社のココア販売状況
ローソンのココア販売終了を考える際、視野を広げて他のコンビニエンスストアチェーンの動向を見ることも重要です。実は、ココアメニューの縮小や販売中止は、ローソンだけの特異な問題ではない可能性があるからです。
例えば、競合であるセブンイレブンでも、過去にチルドカップのココアが販売中止になったり、ラインナップが頻繁に入れ替わったりしています。
ファミリーマートを含め、各社ともプライベートブランド(PB)の「お湯を注ぐだけ」の粉末スティックココアなどは扱っていますが、店舗の専用マシンで淹れるタイプのココアメニューは、コーヒーやラテに比べて定番化しにくい状況が見られます。
コンビニ | 店舗抽出ココア | チルドカップ・その他 |
---|---|---|
ローソン | 現在販売なし(2025年時点) | 時期により限定商品が登場する可能性あり |
セブンイレブン | 現在販売なし(2025年時点) | PB商品や限定品が中心 |
ファミリーマート | 現在販売なし(2025年時点) | PB商品や限定品が中心 |
このように、コンビニ業界全体として、店舗で一杯ずつ提供するココアは主力商品になりにくい傾向があるようです。
これは、前述した「カカオ豆の原材料費の高騰」という業界共通の課題に加え、「コンビニ顧客の健康志向の高まり」(甘い高カロリーなドリンクを日常的に避ける傾向)といった、市場全体の変化も背景にあるためと考えられます。
ローソンの決断も、こうしたコンビニ業界全体の大きな流れの中に位置づけられるものと言えるでしょう。
商品整理?アールグレイも終了
原材料コストの問題に加えて、もう一つ考えられる大きな理由が、ローソンが進める「商品ラインナップの最適化」という、より大きな経営戦略の一環として販売終了が決まった可能性です。
ココアの販売終了と時期を同じくして、一部のファンからは「アールグレイティーも販売終了したのはなぜ?」という声も聞かれます。これも、ココアと同じ文脈で考えることができます。
コンビニエンスストアの店舗スペースや、バックヤードの在庫スペース、そして店員が行うオペレーション(商品の補充、マシンの清掃、レジ対応などの作業工数)には、当然ながら限りがあります。
その限られたリソース(人・モノ・場所)の中で最大の売上と利益を生み出すためには、定期的に全商品の販売データ(POSデータ)を詳細に分析し、需要の低い商品や収益性の低い商品をカットし、新しい商品やより売れる商品と入れ替える必要があります。
- 主力商品:コーヒー、カフェラテなど。毎日多くの人が購入し、売上の基盤となる商品。リソースを集中投下する対象。
- 嗜好品:ココア、アールグレイティー、その他フレーバードリンクなど。熱心なファンはいるが、購入する顧客層や頻度が限定的。
マチカフェのメニューにおいても、毎日安定して多くの人に購入される「主力商品」(コーヒーやカフェラテ)に資源を集中させる方が、経営的には効率的です。
ココアやアールグレイティーは、熱心なファンがいる一方で、購入する顧客層が限定される「嗜好品」としての側面が強い商品です。
もし、これらの商品が販売データ分析の結果、主力商品ほどの売上貢献度や利益率を示せなかった場合、戦略的な判断として販売終了となり、新たな商品(例えば、季節限定のフルーツティーや新しいラテなど)にその座を譲ることになったと考えられます。
ローソンのココア 販売終了はなぜ?復活と現状
- ココアの復活可能性は?
- 現行のマチカフェ メニューと代替品
- カフェインレスも終了したのはなぜ?人気だった?
- メガサイズはいつまで?過去の企画
- 総括:ローソンのココア 販売終了はなぜ?
ココアの復活可能性は?
多くのファンが待ち望んでいるマチカフェのココアの復活ですが、現時点(2025年7月時点)で、ローソンからの公式な復活に関する発表はありません。
しかし、希望が全くないわけではないでしょう。ココアは、特に気温が下がる秋冬の季節に需要がピークを迎える「季節商品」としての側面が非常に強いドリンクです。
ローソンはこれまでにも、「盛りすぎチャレンジ」や季節限定のスイーツ・ドリンクを発売し、SNSなどで大きな話題を集める戦略を得意としています。
そのため、最も可能性が高いシナリオとしては、レギュラーメニューとしての通年販売ではなく、「冬季限定」という形で再登場することです。「今年の冬、あの濃厚ココアが待望の復活!」といった形でキャンペーンを行えば、大きな話題になることも期待できます。
ただし、復活の時期を具体的に予測することは非常に難しい状況です。
前述の通り、販売終了の最大の要因が「カカオ豆の価格高騰」であった以上、この国際価格が安定し、ローソンとして採算が取れる見通しが立たない限り、企業として再販の決断は難しいと考えられます。世界的な供給量が回復し、価格が落ち着くことが、再販の絶対的な前提条件となるでしょう。
また、もし再販が実現する場合、以前(2022年リニューアル時)と全く同じ形ではない可能性も考慮しておく必要があります。
復活時に想定される変更点
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価格の改定:以前よりも高い価格設定(値上げ)で販売される。
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内容量の変更:価格を維持するために、量を少し減らして調整する。
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原材料の見直し:品質とコストのバランスが取れる、別の産地のココアパウダーに変更する。
いずれにしても、2025年冬以降の再販は、不安定なカカオの市場動向と、ローソンの経営戦略次第と言えるでしょう。
現行のマチカフェメニューと代替品
ローソンのココアがなくて残念に思っている方へ、現在のマチカフェメニュー(2025年10月時点)の中から、ココアの代わりになるような、心も体も温まるおすすめのドリンクを紹介します。
コーヒーが苦手な方や、ココアのような甘くてホッとする一杯を求めている場合には、特に以下の2つが有力な選択肢として考えられます。
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抹茶ラテ:
宇治抹茶のほろ苦さと、ミルクのまろやかな甘さが絶妙にマッチした一杯です。和のテイストで、ココアとは違った落ち着きのある時間を楽しめます。抹茶の豊かな香りも人気の理由です。
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ほうじ茶ラテ:
ほうじ茶特有の香ばしい香りと、ミルクの優しい甘さが特徴です。リラックス効果も期待でき、就寝前の一杯としても適しています。甘さも比較的すっきりしています。
もちろん、コーヒー好きの方であれば、定番の「カフェラテ」や、エスプレッソの風味が際立つ「ダブルエスプレッソラテ」なども、寒い日にはぴったりの選択肢です。
カテゴリ | 商品名 | 特徴 |
---|---|---|
コーヒー | コーヒー (S/M/L) | バランスの取れた味わい。豆の品質にこだわりあり。 |
カフェラテ (M/L) | こだわりの生乳100%使用ミルクとの調和が楽しめる。 | |
ダブルエスプレッソラテ | 濃厚なコーヒーのコクと香り。エスプレッソ2倍。 | |
お茶 | 抹茶ラテ | 宇治抹茶使用の本格派。ほろ苦さと甘みのバランス。 |
ほうじ茶ラテ | 香ばしさが特徴。リラックスしたい時に。 | |
ダージリンティー | 世界三大紅茶の一つ。すっきりとした味わい。 | |
その他 | ホットミルク | シンプルで優しい味わい。こだわりの生乳100%使用。 |
これらのメニューの中から、その日の気分に合わせて新しいお気に入りを見つけてみるのも楽しいかもしれません。
また、ココアの魅力の一つとして「鉄分」が含まれている点を挙げる人もいました。マチカフェのドリンクメニューで明確に鉄分補給を謳った商品はありませんが、ローソンの店内には他の選択肢があります。
例えば、チルド飲料コーナーに「1日分の鉄分」などが摂れると表示されたドリンク(野菜ジュースや乳飲料など)が置かれていることがあります。もし手軽な鉄分補給が目的であれば、そうした専門の商品を選ぶのが賢明と言えるでしょう。
カフェインレスも終了したのはなぜ?人気だった?
ココアと同様に、あるいはそれ以上に復活を望む声が多いのが、マチカフェの「カフェインレスコーヒー」です。
しかし、2025年現在、公式サイトのコーヒーメニュー一覧にその掲載はなく、原則として提供されていない状況です。(※ごく一部の店舗では取り扱いが残っている可能性もゼロではありませんが、全国展開は終了しています。)
ローソンのカフェインレスコーヒーは、2017年にコンビニコーヒーとしては先駆的に全国展開を開始しました。
- 本格的な製法:化学薬品を用いない「ウォータープロセス」でカフェインを約97%カット。
- こだわりの豆:発売当初は「コロンビア産アラビカ豆100%」を使用し、カフェインレスでも物足りなさを感じさせない、しっかりとしたコーヒーの風味と優しい甘みを実現。
- 圧倒的な利便性:妊娠中・授乳中の方、就寝前に飲みたい方、健康上の理由でカフェインを控える方が、「いつでもコンビニで美味しいデカフェが買える」と高く評価しました。
これほど人気だったにもかかわらず提供が縮小・終了した背景には、ココアやアールグレイティーと共通する理由が考えられます。
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限定的な需要:
カフェインレスの需要は確実に存在し、年々高まってはいますが、マチカフェ全体の販売数から見ればまだ限定的だった可能性があります。
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コストの問題:
カフェインを除去する工程(ウォータープロセス)には特殊な技術とコストがかかります。さらに近年のコーヒー豆全体の価格高騰も影響した可能性があります。
-
オペレーションの効率化:
店舗のコーヒーマシンで管理する豆の種類は、少ない方が効率的です(清掃、補充の手間など)。カフェインレス専用の豆を管理する負担が、見直しの対象となったのかもしれません。
これも、主力商品(通常のコーヒー・ラテ)にリソースを集中させるという、商品ラインナップ最適化の一環と推測されます。
なお、2025年時点では、競合のセブン‐イレブンが「セブンカフェ 低カフェインコーヒー」を展開しており、カフェインを控えたい層の新たな受け皿となっています。
メガサイズはいつまで?過去の企画
ココアやカフェインレスコーヒーといった定番メニューがメニューから姿を消す一方で、ローソンは「期間限定」のインパクトある企画を積極的に展開しています。
その代表例が、2025年6月に実施された「盛りすぎチャレンジ」の一環としてのメガサイズドリンクキャンペーンです。
- 期間:2025年6月10日から6月23日までの期間限定。
- 内容:メガアイスカフェラテ(Mサイズの約2倍量、通常390円)が、Mサイズと同じ260円(当時の価格)で提供されました。
- 反響:SNSでは「神コスパ」「毎日飲んでる」と大きな話題になり、店舗によっては昼過ぎに売り切れる事態も発生しました。
このメガサイズの企画は、あくまで短期間のキャンペーンであり、6月23日をもって(お得な価格での提供は)終了しています。(※メガサイズ自体は通常価格390円で継続販売される場合があります)
この事例が示しているのは、ローソンの近年のマチカフェ戦略です。
通年販売のレギュラーメニューの種類は、採算性やオペレーション効率を重視して絞り込む(=ココアやカフェインレスの終了)。
その一方で、顧客の関心を引くインパクトの強い短期的なキャンペーン(=メガサイズや季節限定品)を打ち出すことで、マチカフェ全体の魅力や話題性を高めようとしている戦略です。
ココアの販売終了も、こうしたメリハリのある商品戦略の中で下された、経営的な判断であった可能性がうかがえます。
総括:ローソンのココア 販売終了はなぜ?
この記事では、ローソンのココアがなぜ販売終了したのか、その理由と今後の展望について解説しました。最後に、記事の要点をまとめます。
- ローソンのマチカフェココアは現在公式メニューにない
- 販売終了の理由は一つではなく複合的な要因が考えられる
- リニューアル前は「薄い」という声もあったが後に改善された
- 主因としてカカオ豆の価格高騰による採算性の悪化が挙げられる
- サプライチェーンの問題が安定供給を困難にしたとの見方
- カフェモカもココアパウダーを使うため同時に販売終了した
- 需要が限られる商品を整理するローソンの店舗戦略も一因
- アールグレイティーなど他の商品も同様の理由で終了の可能性がある
- セブンイレブンなど他社コンビニでもココア商品は縮小傾向にある
- 今後の復活は冬季など季節限定での登場が最も現実的
- ただし再販はカカオ価格の安定が大きな条件となる
- カフェインレスコーヒーも需要と供給のバランスで取扱店舗が減少
- ココアの代替としては抹茶ラテやほうじ茶ラテがおすすめ
- 鉄分補給が目的なら他の健康食品や飲料を検討する方が効率的
- 最新の販売状況はローソンの公式サイトで確認することが大切