ハーゲンダッツはなぜ高い?価格の理由とこだわりを解説

ハーゲンダッツ なぜ高い 高い理由
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ハーゲンダッツはなぜ高いのだろう?と疑問に思ったことはありませんか。コンビニやスーパーで手軽に買える一方、他のアイスクリームと比べると価格は高めです。

しかし、ハーゲンダッツがなぜ人気であり続けるのか、その背景には価格以上の理由が存在します。また、日本ではハーゲンダッツはなぜ小さいと感じるのか、そのサイズ感や、海外との味の違いについても気になるところです。

この記事では、ハーゲンダッツの価格設定の秘密、品質へのこだわり、そして日本と海外での展開の違いについて詳しく解説していきます。

記事のポイント
  • ハーゲンダッツの価格設定を支える品質へのこだわり
  • 他のアイスクリームとの具体的な違い
  • 日本と海外での価格やサイズ、フレーバーの違い
  • なぜハーゲンダッツが高級ブランドとして人気なのか

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ハーゲンダッツはなぜ高い?品質へのこだわり

  • プレミアムアイス、ハーゲンダッツとは
  • ハーゲンダッツがなぜ高いかの主な理由
  • 高いやつと言われるほどの厳選された原料
  • 濃厚さを生む空気含有量と製法
  • ハーゲンダッツはなぜ人気が続くのか
  • 値引きしないブランド戦略

プレミアムアイス、ハーゲンダッツとは

ハーゲンダッツは、1961年にアメリカ・ニューヨークで誕生したプレミアムアイスクリームブランドです。創始者であるルーベン・マタス氏が「大人も満足できる高品質なアイスクリームを作りたい」というシンプルな情熱からスタートしました。

日本で初めて発売されたのは1984年のことです。当初は東京都内の百貨店や高級スーパーなど、限られた店舗での販売でした。

その後、コンビニエンスストアやスーパーマーケットへと販路が拡大し、現在では「ちょっと贅沢なご褒美アイス」として、多くの人に愛される高級アイスクリームの代名詞的な存在となっています。

その最大の特徴は、家庭用アイスクリームでありながら、専門店のような濃厚でリッチな味わいを実現している点にあります。

ハーゲンダッツがなぜ高いかの主な理由

ハーゲンダッツの価格設定が高い背景には、他のアイスクリームとは一線を画す明確な理由がいくつか存在します。

最も大きな理由は、その「品質への徹底的なこだわり」です。具体的には、「厳選された高品質な原料の使用」、「独自の製造方法」、「徹底した品質管理」の3点が挙げられます。

第一に、使用する牛乳や卵、バニラといった主原料から、フルーツやナッツなどの副原料に至るまで、世界中からコスト度外視で最高品質のものだけを選定しています。

第二に、ハーゲンダッツ特有の濃厚な食感を生み出すため、一般的なアイスクリームよりも空気の含有量を意図的に少なくする製法を採用しています。

そして第三に「高級」というブランドイメージを守るため、徹底した品質管理と、原則として値引きを行わない価格戦略を貫いています。

これらの要素が複合的に絡み合い、高い価格設定を支える基盤となっているのです。

高いやつと言われるほどの厳選された原料

ハーゲンダッツの価格を支える核となるのが、一切の妥協を許さない原料選びです。

アイスクリームの分類と乳脂肪分

アイスクリームは、日本の法律(食品衛生法に基づく乳及び乳製品の成分規格に関する省令)により、含まれる乳固形分と乳脂肪分の割合で「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」の3種類に分類されます(参照:アイスクリーム類にはどのような種類があるのですか? | 乳と乳製品のQ&A | 一般社団法人日本乳業協会)

種類別 乳固形分 うち乳脂肪分
アイスクリーム 15.0%以上 8.0%以上
アイスミルク 10.0%以上 3.0%以上
ラクトアイス 3.0%以上 規定なし

この分類で「アイスクリーム」と名乗れるのは、乳脂肪分が8.0%以上のものだけです。ハーゲンダッツのバニラフレーバーには、この基準を大幅に上回る15.0%もの乳脂肪分が含まれているとされます。

日本独自の原料へのこだわり

日本で製造・販売されているハーゲンダッツは、特にミルクに強いこだわりを持っています。使用される牛乳は、すべて北海道の根室・釧路地区を中心とした酪農家から供給される、高品質で濃厚な生乳です。

副原料についても同様です。例えばバニラフレーバーには、芳醇で複雑な香りが特徴のマダガスカル産バニラビーンズが使われています。ストロベリーは、中まで赤く熟した食感と風味の良い品種が選定されるなど、世界中からそのフレーバーに最も適した素材を調達しています。

このように、コストよりも品質を最優先する姿勢が、製品価格に反映されていると考えられます。

濃厚さを生む空気含有量と製法

ハーゲンダッツが持つ、スプーンがすっと入らないような独特の密度と濃厚な口どけは、製造過程で含まれる空気の量が関係しています。

この空気の含有量は「オーバーラン」と呼ばれます。一般的なアイスクリームは、空気含有率が60%以上、多いものでは100%近いものもあり、空気を含ませることでふんわりとした食感とボリューム感を生み出しています。

一方、ハーゲンダッツは、この空気含有量を20%~30%程度に低く抑えているとされます。空気の割合が少ないということは、それだけ中身のアイスクリームの密度が高いことを意味します。

この高密度な状態こそが、ハーゲンダッツ特有の滑らかで重厚感のある、濃厚な味わいと満足感を生み出す最大の秘密です。また、アイスクリーム内の氷の結晶が大きくならないよう、製造から輸送、販売に至るまで徹底した温度管理が行われていることも、品質維持に寄与しています。

ハーゲンダッツはなぜ人気が続くのか

価格が高めであるにもかかわらず、ハーゲンダッツが長期間にわたり高い人気を維持している理由は、その卓越した「美味しさ」と巧みな「ブランド戦略」にあります。

前述の通り、厳選された原料と低い空気含有率から生まれる濃厚な味わいは、他では得難い「特別な満足感」を消費者に提供します。この絶対的な品質への信頼が、リピーターを生む最大の要因です。

また、定番フレーバーの魅力に加え、消費者を飽きさせないマーケティング戦略も人気の理由です。ほぼ毎月のように発売される期間限定商品や新作フレーバーは、常に新鮮な話題を提供します。

「栗あずき」や「華もち」シリーズといった和の要素を取り入れた斬新なアイデアや、「悪魔のささやき」のようなユニークなネーミングセンスは、SNSなどでも注目を集めやすく、購買意欲を刺激します。

さらに、時代に合わせたコンセプトの変化も見逃せません。かつての「ハレの日」の特別なご褒美という位置づけから、コロナ禍を経て「日常の中の小さな幸せ」へとシフトし、巣ごもり需要にもうまく適合しました。このように、確かな品質と時代を読むマーケティングが、人気を支え続けています。

値引きしないブランド戦略

ハーゲンダッツは、原則として「希望小売価格からの値引き販売を行わない」という一貫した方針を持っています。

これは、「プレミアムアイスクリーム」としてのブランド価値を維持するための非常に重要な戦略です。もしスーパーなどで恒常的に安売りが行われれば、消費者の認識は「安く買える商品」へと変化し、時間をかけて築き上げてきた高級なブランドイメージが損なわれてしまう恐れがあります。

品質に妥協せず、その価値に見合った適正な価格で提供するという姿勢を崩さないことで、「ハーゲンダッツ=特別な日に食べるご褒美」という消費者心理を強固にしています。

この徹底した品質管理と価格戦略こそが、高価格帯でありながらも消費者に選ばれ続ける、ブランド力の源泉となっているのです。

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ハーゲンダッツはなぜ高い?海外との比較

  • ハーゲンダッツはなぜ小さいサイズなのか
  • 日本と海外のハーゲンダッツの値段を比較
  • ハーゲンダッツの海外サイズ事情
  • ハーゲンダッツの海外と味の違い
  • ハーゲンダッツはなぜ高いのか納得の理由

ハーゲンダッツはなぜ小さいサイズなのか

日本のハーゲンダッツ、特にミニカップを久しぶりに手に取った際に「小さくなった?」と感じることがあるかもしれません。その印象は、過去の内容量変更の事実に起因しています。

主力商品であるミニカップは、以前は120mlでしたが、2014年7月の出荷分から現在の110mlへと変更されました。同様に、クリスピーサンドも2010年4月に66mlから60mlへと内容量が変更されています。

商品名 旧内容量 現内容量 変更時期
ミニカップ 120ml 110ml 2014年7月~
クリスピーサンド 66ml 60ml 2010年4月~

※上記は過去の代表的な変更例です。

これらの内容量変更の背景には、他の多くの食品と同様に、乳製品や砂糖、包装資材といった主原料や資材の価格高騰があります。

ハーゲンダッツの品質を維持したまま、希望小売価格の大幅な値上げを避けるための苦渋の選択として、内容量の調整(実質的な値上げ)が行われたと考えられます。特に購入頻度の高い主力商品での変更であったため、「小さくなった」という印象が消費者に広く残っているようです。

日本と海外のハーゲンダッツの値段を比較

ハーゲンダッツは、販売される国によって価格設定が大きく異なっています。結論から述べると、日本のハーゲンダッツは海外、特に発祥国であるアメリカと比較して高価な傾向にあります。

2025年10月現在の情報で、日本とアメリカのスーパーマーケットにおける、いわゆる「パイントサイズ」に近い商品の価格を比較してみましょう。

国名 サイズ 現地価格 日本円換算 (1ドル=151円)
日本 パイント (473ml) 1,075円 (税込) ※1 約1,075円
アメリカ カップ (14oz / 414ml) $4.36 ※2 約658円

※1:2025年6月1日の価格改定後の希望小売価格(税別995円)に基づき算出
※2:2025年10月時点の米ウォルマートでの販売価格例

アメリカの標準サイズ(14oz/414ml)は、日本のパイント(473ml)より若干小さいものの、それを考慮しても日本円換算で約658円と、日本の価格より大幅に安価です。

この価格差の理由として、アメリカではアイスクリームの年間消費量が日本人の約2倍と非常に多く、市場規模が大きいため、大量生産・大量消費によるコストダウンが可能です。

また、アメリカではハーゲンダッツが日本ほどの「超高級品」ではなく、日常的に楽しまれるプレミアムアイスの一つとして位置づけられていることも影響していると考えられます。

ハーゲンダッツの海外サイズ事情

価格だけでなく、販売されている商品の標準サイズも日本と海外では大きく異なります。

日本では、一人用の食べきりサイズとして110mlの「ミニカップ」が最も一般的です。複数人で楽しむサイズとしては、ミニカップより小さい70mlカップが6個入った「アソートボックス」や、473mlの「パイント」サイズが販売されています。

一方、アメリカのスーパーマーケットでは、日本のような110mlのミニカップはあまり主流ではありません。

一人用としても14oz(約414ml)のカップが標準的であり、それ以上のサイズである1.89リットル(=ハーフガロン)といった、日本では見かけないような大容量サイズも一般的に陳列されています。

前述の通り、アメリカはアイスクリームの消費量が非常に多い「アイスクリーム大国」です。日常的に多くの量を消費する食文化が、販売されるサイズの標準にも色濃く反映されているのです。

ハーゲンダッツの海外と味の違い

ハーゲンダッツは世界中で愛されていますが、その味やフレーバーのラインナップは国や地域によって異なります。これは、各国の法規制や、現地の消費者の嗜好に合わせて製品が開発・製造されているためです。

日本独自の開発とフレーバー

日本で販売されているハーゲンダッツは、日本人の繊細な味覚に合わせ、北海道産の高品質なミルクを基に国内で製造されています。

特に日本で開発され、世界的な人気商品となったのが1996年発売の「グリーンティー(抹茶)」です。当時、アイスのフレーバーとしては珍しかった抹茶を、ハーゲンダッツの濃厚なクリームと合わせることで大成功を収めました。

また、ウエハースでアイスを挟んだ「クリスピーサンド」や、チョコレートコーティングが特徴の「バー(旧クランチークランチ)」は、もともと日本のタコスから着想を得て開発された、日本発の商品カテゴリーです。これらは海外ではほとんど見られない、日本独自の形態です。

海外で人気のフレーバー

一方、アメリカなど海外では、日本では定番ではないフレーバーが人気を集めています。

代表的なものに、バニラアイスにクッキー生地の塊がそのまま入った「Cookie Dough(クッキードウ)」や、濃厚なキャラメルソースが入った「Dulce de Leche(ドルセ・デ・レチェ)」、香ばしいナッツが特徴の「Butter Pecan(バターピーカン)」などがあります。

このように、製造される国や地域の食文化、嗜好に応じて、使用する素材や開発されるフレーバーが異なるため、同じハーゲンダッツブランドでも、国ごとに異なる味わいと楽しみ方が存在します。

ハーゲンダッツはなぜ高いのか納得の理由

この記事で解説してきた、「ハーゲンダッツはなぜ高いのか」という疑問についての要点を、以下に箇条書きでまとめます。

  • ハーゲンダッツが高いのは厳選された高品質な原料を使用しているため
  • 日本では北海道浜中町産など高品質な生乳を100%使用
  • 乳脂肪分が「アイスクリーム」の基準(8%)を大幅に超える15%(バニラ)
  • 空気含有量を一般的なアイスより低く抑える製法で密度を高めている
  • 密度が高いため濃厚で滑らかな口どけが生まれる
  • 「高級アイス」としてのブランドイメージを維持する戦略がある
  • 原則として値引き販売を行わない方針を徹底している
  • 価格に見合う「絶対的な美味しさ」が長年人気を保つ理由
  • 定番商品に加え、毎月のように登場する期間限定フレーバーが話題を提供
  • 日本で「小さい」と感じるのはミニカップの内容量が過去に120mlから110mlに変更されたため
  • クリスピーサンドも同様に内容量が減少した歴史がある
  • これらの変更は原料価格の高騰に対応しつつ品質を維持するための調整
  • 海外(特にアメリカ)と比較すると日本の販売価格は高い
  • アメリカではパイントサイズが主流でアイス全体の消費量も日本より多い
  • アメリカでの価格は日本円換算で日本の約6割程度(2025年10月時点)
  • 日本では「グリーンティー」や「クリスピーサンド」など独自の人気商品が多い
  • 海外では「クッキードウ」など日本で未発売のフレーバーが人気
  • 国ごとに嗜好や原料が異なり、味、価格、サイズに違いが生まれている

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