連子鯛はなぜ安い?理由と真鯛との違い、絶品レシピを解説

連子鯛 なぜ安い 安い理由
イメージ:価格のヒミツ~安い理由・高い理由~作成
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スーパーの鮮魚コーナーで真鯛にそっくりな魚を見かけたことはありませんか。その名は「連子鯛(レンコダイ)」。見た目は立派なのに、驚くほど安い価格で売られていることがあります。「連子鯛はなぜ安いんだろう?もしかして美味しくないの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。

この記事では、まず連子鯛とはどのような魚なのか、そしてキダイと連子鯛の違いや、よく比較される真鯛との違いを解説します。その上で、多くの方が気になる安い理由を、刺身での評価や骨多いといった特徴と絡めながら深掘りします。

さらに、塩焼きや煮付け、鯛めし、アクアパッツァなど、連子鯛のポテンシャルを最大限に引き出す美味しい食べ方とレシピもご紹介します。この記事を読めば、連子鯛に対するあなたの見方が変わるはずです。

記事のポイント
  • 連子鯛が安い理由と真鯛との明確な違い
  • キダイという別名や基本的な生態
  • 骨が多いなどの注意点と下処理のコツ
  • 塩焼きからアクアパッツァまでの美味しい食べ方

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連子鯛はなぜ安い?その正体と理由を解説

連子鯛 なぜ安い

※画像はイメージです

  • そもそも連子鯛とはどんな魚?
  • キダイと連子鯛の違いについて
  • 見た目が似ている蓮子鯛と真鯛の違い
  • 刺身の評価が低いのが安い理由
  • 連子鯛は骨が多い

そもそも連子鯛とはどんな魚?

連子鯛は、スズキ目タイ科キダイ属に分類される海水魚です。魚の王様と称される真鯛と同じタイ科に属する、正真正銘の鯛の仲間になります。

体色は全体的に鮮やかな朱色で、特に目から口にかけて黄色みが強いことが大きな特徴です。この黄色い体色から、標準和名では「キダイ(黄鯛)」と名付けられています。

主な生息域は、本州中部から南の比較的暖かい海域で、水深50メートルから200メートルほどの砂地や泥地に群れを作って暮らしています。長崎県や島根県、山口県などが主な産地として有名です。

連子鯛の旬は、主に夏(6月~8月)とされています。一般的に真鯛の味が落ちるといわれる夏場に脂がのって美味しくなるため、この時期には特に重宝される魚です。年間を通して味は安定していますが、最も美味しい時期を狙うなら夏がおすすめです。

キダイと連子鯛の違いについて

魚売り場で「キダイ」や「レンコダイ」といった名前を見かけて、これらは違う魚なのかと疑問に思ったことがあるかもしれません。

結論から言うと、キダイと連子鯛は全く同じ魚を指しており、呼び名が違うだけです。学術的な正式名称である標準和名が「キダイ」であり、市場で流通する際や釣り人の間で広く使われている通称名が「レンコダイ(連子鯛)」となります。

なぜ「連子鯛」と呼ばれるかというと、この魚が群れをなして生活する習性があり、漁獲される際に数珠つなぎのように連なって揚がることが多いからです。「連なる鯛の子」のような様子から、この通称名が定着したといわれています。

関東では「レンコダイ」、関西では「キダイ」と呼ばれる傾向もあるようですが、どちらの名前も広く認知されています。この記事では、より一般的に使われることの多い「連子鯛」という名称で話を進めていきます。

見た目が似ている蓮子鯛と真鯛の違い

連子鯛と真鯛は、どちらもタイ科に属し、お祝いの席で使われることもあるため混同されがちですが、いくつかの明確な違いを知ることで簡単に見分けることができます。

最も分かりやすい違いは、大きさと体色、そして尾びれの形です。連子鯛は成魚になっても30cmから40cm程度と比較的小型ですが、真鯛は1mを超える大きな個体も存在します。

また、体色にも違いが現れます。連子鯛は全体的に黄色みがかっており、エラ蓋の上に鮮やかな黄色の斑点が見られます。一方、真鯛は美しい淡い紅色をしており、体側にはコバルトブルーの小さな斑点が散らっているのが特徴です。

さらに決定的な見分け方として、尾びれの先端に注目すると良いでしょう。尾びれの縁が黒く縁取られているのが真鯛で、連子鯛の尾びれにはこの黒い縁取りがありません。

これらの特徴をまとめたのが以下の表です。

特徴

連子鯛(キダイ)

真鯛(マダイ)

最大サイズ

約40cm

1mを超えることも

体色

全体に黄色みが強い

光沢のある淡い紅色

斑点

黄色い斑点

青い小斑点が散在

尾びれの先端

色の変化はない

黒く縁取られている

顔つき

鼻先がやや窪み、口が突き出る形状

全体的に丸みを帯びている

市場価値

比較的に安価(大衆魚)

高価(高級魚)

刺身の評価が低いのが安い理由

連子鯛が真鯛と比べて安価で流通している最大の理由は、刺身で食べた際の評価の違いにあると考えられます。

魚の市場価値は、寿司や刺身といった生食での人気に大きく左右される傾向があります。高級魚とされる魚は、生で食べたときにしっかりとした旨味と食感を持ち合わせていることが多いです。

連子鯛の身は、水分を多く含んでいるという特性があります。この水分が多いという性質が、生で食べたときに「味が少しぼやけている」「水っぽい」と感じられる原因になることがあります。もちろん、これは「まずい」という意味では決してなく、むしろ上品であっさりとした味わいが特徴とも言えます。

ただ、旨味が凝縮された真鯛の刺身と比べると、やや物足りないと感じる人がいるのも事実です。このような刺身での評価が、魚全体の価格に反映され、連子鯛が比較的手頃な価格で販売される大きな要因となっているのです。逆に言えば、この特性を理解し、加熱調理を選べば、非常にコストパフォーマンスの高い美味しい魚と言えるでしょう。

連子鯛は骨が多い

連子鯛を調理する際に、少し注意したいのが骨の扱いです。タイ科の魚は全般的に骨がしっかりしており、連子鯛も例外ではありません。

特に、三枚におろした際に、身の中心線に沿って残る「血合い骨」と呼ばれる小骨は、食べたときの食感を損なう原因になります。そのため、刺身やムニエルなどで食べる場合は、この血合い骨を丁寧に取り除く作業が美味しく仕上げるための鍵となります。骨抜きを使って一本ずつ抜くか、血合い骨の両側に切り込みを入れて、骨の部分だけを細長く切り取ると良いでしょう。

丸ごと塩焼きや煮付けにする場合は、骨をつけたまま調理しますが、食べる際には小骨に十分注意が必要です。

しかし、骨が多いことは必ずしもデメリットだけではありません。頭や中骨といった「アラ」の部分からは、非常に上質で美味しい出汁が出ます。このアラを捨てずに活用すれば、絶品の潮汁や鯛めしを作ることができます。したがって、骨が多いという特徴は、アラを活用することで大きなメリットにも変わるのです。

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連子鯛はなぜ安い?調理法で知る本当の価値

連子鯛 なぜ安い

※画像はイメージです

  • 美味しい食べ方とおすすめレシピ
  • 素材の味を活かすシンプルな塩焼き
  • ご飯がすすむふっくら味の煮付け
  • 旨味が凝縮された本格的な鯛めし
  • 食卓が華やぐアクアパッツァ

美味しい食べ方とおすすめレシピ

連子鯛は、その上品でクセのない味わいを活かせる、非常に多彩な調理法で楽しむことができます。前述の通り、身に水分が多く、加熱しても硬く締まりにくいという優れた特性を持っています。

このため、焼き物、煮物、蒸し物、揚げ物など、どのような加熱調理にも柔軟に対応可能です。皮と身の間に旨味が詰まっているので、皮を引かずに調理する料理が特におすすめです。

代表的なレシピとしては、素材の味をシンプルに味わう「塩焼き」、甘辛い味がご飯によく合う「煮付け」が挙げられます。また、アラから出る極上の出汁を活かした「鯛めし」や、見た目も華やかな洋風の煮込み料理「アクアパッツァ」も、連子鯛の魅力を存分に引き出してくれます。

他にも、三枚におろしてバターで焼くムニエルやポワレ、カラッと揚げた唐揚げ、旨味を凝縮させる干物、水分が多い身をしっとりさせる昆布締めなど、アイデア次第で調理の幅は無限に広がります。

素材の味を活かすシンプルな塩焼き

連子鯛の美味しさを最もストレートに味わうなら、シンプルな塩焼きが一番のおすすめです。調理法が簡単なだけでなく、連子鯛本来の上品な旨味と、ふっくらとした身の食感を最大限に楽しむことができます。

調理のポイント

美味しく仕上げるコツは、焼く前の下処理にあります。まず、ウロコと内臓、エラを丁寧に取り除き、水で綺麗に洗った後、キッチンペーパーで水気をしっかりと拭き取ります。この水気を拭く作業が、生臭さを防ぎ、皮をパリッと焼き上げるために大切です。

次に、身の両面に少し高い位置から塩を均一に振ります。飾り包丁を十字に入れると、火の通りが均一になり、見た目も美しく仕上がります。

焼き方

魚焼きグリルを使用する場合は、十分に予熱してから焼くのが基本です。盛り付けるときに上になる面から焼き始め、こんがりと焼き色がついたら裏返してもう片面を焼きます。

フライパンでも美味しく調理可能です。フライパンにクッキングシートを敷き、皮目を下にして中火でじっくりと焼きます。皮がパリッとしたら裏返し、蓋をして弱火で蒸し焼きにすると、身がふっくらと仕上がります。これはポワレに近い調理法で、和食とはまた違った味わいを楽しめます。

ご飯がすすむふっくら味の煮付け

連子鯛は、甘辛い味付けの煮付けにしても絶品です。加熱しても硬く締まりにくいという連子鯛の身の特性が、煮付けにすることで最大限に活かされます。ふっくらと柔らかい食感に、コクのある煮汁が染み込み、ご飯が何杯でも食べられてしまう美味しさです。

調理を始める前に、一手間加えるのがポイントです。下処理を済ませた連子鯛に、熱湯をさっと回しかける「霜降り」という作業を行います。これにより、魚の表面のぬめりや臭みが取れ、煮汁が濁らず、澄んだ仕上がりになります。

煮汁の配合と調理法

煮汁は、水、酒、醤油、みりん、砂糖を基本とし、お好みで生姜の薄切りを加えると、魚の臭みを消して風味を豊かにしてくれます。

フライパンや浅めの鍋に煮汁の材料を入れて煮立たせ、そこに連子鯛を入れます。アルミホイルなどで落し蓋をして、中火で10分から15分ほど、煮汁を時々スプーンで魚にかけながら煮詰めていきましょう。煮崩れを防ぐため、魚を何度もひっくり返さないのがコツです。火を止めた後、少し時間を置くと、より味が染み込んで美味しくなります。

旨味が凝縮された本格的な鯛めし

連子鯛を使って、少し贅沢な鯛めしに挑戦してみるのはいかがでしょうか。連子鯛の頭や骨から出る極上の出汁がご飯一粒一粒に染み渡り、家庭で本格的な料亭の味を再現することができます。

最も美味しく作るための秘訣は、連子鯛を丸ごと活用することです。身だけでなく、下処理で出た頭や中骨といったアラも、出汁を取るために使います。

調理の手順

まず、下処理をした連子鯛の身とアラに軽く塩を振り、魚焼きグリルやフライパンで表面に香ばしい焼き色をつけます。このひと手間が、生臭さを防ぎ、鯛めしの風味を格段に向上させます。

次に、土鍋や炊飯器に研いだお米を入れ、昆布、酒、薄口醤油などの調味料を加えます。そして、焼いたアラで取った出汁(または水)を規定の量まで注ぎ、最後に焼いた連子鯛の身を乗せて炊き上げます。炊き上がったら、身を一旦取り出して骨を外し、ほぐした身をご飯とさっくりと混ぜ合わせれば完成です。木の芽や刻み海苔を散らすと、彩りも香りも一層豊かになります。

食卓が華やぐアクアパッツァ

連子鯛は、和食だけでなく洋風の料理にも非常によく合います。中でも、尾頭付きのまま調理するアクアパッツァは、見た目も豪華で食卓がパッと華やぐ一品です。フライパン一つで手軽に作れるのも魅力です。

アクアパッツァは、イタリア語で「狂った水」を意味する、魚介をトマトやオリーブなどと水で煮込むシンプルな料理です。連子鯛の旨味がスープに溶け出し、アサリやムール貝といった他の魚介の出汁と合わさって、奥深い味わいを生み出します。

簡単な作り方

フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れて熱し、香りが出てきたら、下処理をした連子鯛を入れて両面に焼き色をつけます。そこに白ワインを加えてアルコールを飛ばし、アサリ、ミニトマト、オリーブなどを加えます。水を注ぎ入れ、蓋をして魚に火が通るまで蒸し煮にするだけです。

最後に塩コショウで味を調え、イタリアンパセリなどを散らせば完成です。魚介の旨味が凝縮されたスープは絶品で、パンを浸して食べたり、リゾットやパスタに活用したりと、最後まで余すことなく楽しめます。

総括:連子鯛はなぜ安いのか?

この記事で解説してきた「連子鯛はなぜ安いのか」という疑問について、最後に要点をまとめます。

  • 連子鯛の正式な名前は標準和名のキダイ
  • 市場では通称名の連子鯛で呼ばれることが多い
  • 群れで連なって漁獲されることが名前の由来
  • 高級魚である真鯛と同じタイ科の魚
  • 安い主な理由は身の水分量が多いこと
  • 刺身での評価が真鯛ほど高くないため価格が安い
  • まずいわけではなく上品で淡白な味わいの白身魚
  • 真鯛より安価に手に入るコストパフォーマンスの高い魚
  • 真鯛とは体色や尾びれの縁の黒い模様の有無で見分けられる
  • 主な旬は夏で真鯛の味が落ちる時期に重宝される
  • 加熱しても身が硬くなりにくい調理しやすい特性を持つ
  • 定番の塩焼きや煮付けなど和食の基本料理に最適
  • アクアパッツァのような華やかな洋風料理にも向いている
  • 頭や骨のアラから非常に良い出汁が出る
  • 骨の丁寧な下処理が美味しさを引き出す鍵となる

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