Canonのプリンター「PIXUS XK110」の購入を検討している中で「XK110のインクはなぜ安いのだろう?」と、その魅力的なランニングコストの秘密に興味をお持ちではないでしょうか。プリンター選びでは、本体価格だけでなく日々の印刷コストが非常に重要になります。
この記事では、そもそもXK110のインクとはどのようなものかを解説し、インク代が安い理由を深く掘り下げていきます。純正インクの品質や、気になるL判写真・A4文書の具体的な印刷コスト、そして実際の利用者のレビューを基にした客観的な評価まで、幅広く情報をお届けします。
さらに、後継機であるXK120やXK130との違いを比較し、「プリンターのインクは純正じゃなくても大丈夫?」という多くの方が抱く疑問にも、メリット・デメリットを明らかにしつつお答えします。この記事を読めば、XK110があなたにとって最適な一台かどうかが明確になるはずです。
XK110のインクはなぜ安い?その理由を徹底解説

※画像はイメージです
- そもそもXK110のインクとは
- XK110のインクが圧倒的に安い理由
- 高品質な純正インクを選ぶメリット
- 具体的な印刷コストを数字で比較
- 利用者のレビューから見る評価
そもそもXK110のインクとは
Canon PIXUS XK110で採用されているインクは「XKI-N21/N20」というシリーズ名のインクカートリッジです。このプリンターは、5つの独立したインクタンクを搭載しており、なくなった色のインクだけを個別に交換できるため、経済的な運用が可能になっています。
インクの構成は、以下の5色です。
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PGBK(顔料ブラック): 文字の印刷に適しており、くっきりとしたシャープな黒を表現します。普通紙への印刷でもにじみにくいため、文書作成に力を発揮します。
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BK(染料ブラック): 写真の暗部を引き締め、コントラストの高い画像を生み出す染料系の黒インクです。
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C(シアン) / M(マゼンタ) / Y(イエロー): 写真やイラストの色を鮮やかに表現するための染料カラーインクです。
このように、文書印刷用の顔料ブラックと、写真印刷用の染料インクを組み合わせる「5色ハイブリッド」構成により、文書も写真も美しく仕上げることができるのが大きな特徴です。特にランニングコストを重視しつつ、家庭での多様な印刷ニーズに応えるために設計されたインクシステムと考えられます。
XK110のインクが圧倒的に安い理由
PIXUS XK110のインクがこれまでのモデルに比べて圧倒的に安い最大の理由は、キヤノンがプリンターのビジネスモデルを一部見直し、戦略的な価格設定を行ったためです。
従来、多くのインクジェットプリンターは「本体を比較的安価に提供し、消耗品であるインクカートリッジで利益を確保する」というビジネスモデルが主流でした。しかし、XKシリーズはこの常識を覆し、プリンター本体の価格をある程度維持する代わりに、ランニングコストであるインク代を大幅に引き下げるというアプローチを採用しています。
具体的には、インクカートリッジ「XKI-N21/N20」シリーズの販売価格が、旧来の同等クラスのインクに比べて約半額に設定されているのです。例えば、5色マルチパックの市場価格は3,000円台前半となっており、これは旧機種で6,000円以上かかっていたことを考えると、画期的な価格設定と言えます。
このため、XK110は購入時の初期費用は標準的ですが、使えば使うほどインク代の安さを実感できるプリンターとなっています。印刷頻度が高いユーザーほど、長期的に見てコストメリットが大きくなる設計が、インクの安い理由の核心です。
高品質な純正インクを選ぶメリット
プリンターのインクには、メーカーが製造する「純正インク」と、それ以外の企業が製造する「互換インク」が存在します。XK110のインクが安くなったとはいえ、さらに安価な互換インクに惹かれる方もいるかもしれません。しかし、純正インクには価格以上の重要なメリットがいくつかあります。
第一に、印刷品質の高さと安定性が挙げられます。純正インクはプリンター本体の開発と並行して設計されているため、インクの性能を最大限に引き出し、常に安定した美しい印刷結果を得られます。
第二に、印刷物の長期保存性です。キヤノンの純正インクは、色あせの原因となる光や空気中のガスに対する耐性が高く設計されています。大切な写真を長期間美しい状態で保存したい場合には、この差は非常に大きな意味を持ちます。
そして第三に、プリンター本体への信頼性です。メーカーは純正インクの使用を前提にプリンターを設計・製造しているため、インク詰まりなどのトラブルが発生しにくいという利点があります。万が一、保証期間内にプリンターが故障した場合でも、純正インクを使用していればスムーズにメーカー保証を受けられます。
これらの点から、印刷品質、保存性、そして万が一の際の安心感を重視するならば、純正インクを選ぶことが賢明な選択と考えられます。
具体的な印刷コストを数字で比較
XK110の魅力は、実際の印刷コストの低さにあります。インクと用紙を合わせた1枚あたりのコストの目安を、画質を重視するユーザー向けの従来モデル「PIXUS TS8530」と比較してみましょう。
印刷内容 |
PIXUS XK110 |
PIXUS TS8530 (大容量インク) |
A4普通紙(カラー) |
約4.1円 |
約12.2円 |
A4普通紙(モノクロ) |
約1.6円 |
約12.2円※ |
L判写真(光沢ゴールド) |
約10.0円 |
約22.1円 |
※TS8530はカラー印刷のコストのみ公開されており、モノクロも同等と想定した場合の参考値です。
上の表から分かるように、特にA4カラー文書のコストはTS8530の約3分の1にまで抑えられています。企画書や資料などを頻繁にカラー印刷する方にとっては、この差は非常に大きいでしょう。モノクロ印刷も1枚約1.6円と非常に安価で、日常的な文書印刷にも気兼ねなく使用できます。
L判の写真印刷コストも、従来モデルの半分以下です。家族の写真や趣味の作品をたくさんプリントしたいというニーズにも、コストを気にすることなく応えてくれます。このように、文書から写真まで、あらゆる用途で優れたコストパフォーマンスを発揮するのがXK110の大きな強みです。
利用者のレビューから見る評価
PIXUS XK110に関する実際の利用者からのレビューを見ると、やはり最も多く言及されているのはインクコストの安さに対する高評価です。
「とにかくインク代が安いので、これまで躊躇していたカラー印刷も気兼ねなくできるようになった」「子供の学習プリントを大量に印刷しても、お財布に優しい」といった声が多数見られます。ランニングコストを重視してこのモデルを選んだ多くのユーザーが、その期待通りの結果に満足している様子がうかがえます。
印刷品質に関しても、「家庭用としては十分すぎるほど綺麗」「写真も文書も問題なく印刷できる」という肯定的な意見が主流です。一部のハイエンドモデルと比較すれば差はあるものの、日常的な用途で不満を感じることは少ないようです。
一方で、「本体価格が少し高めに感じる」という意見も見られます。しかし、そうしたユーザーの多くも「長期的に見ればインク代で元が取れる」とコメントしており、初期投資とランニングコストのバランスを理解した上で購入を決めていることが分かります。
以上の点から、XK110は「印刷頻度が高く、ランニングコストを最優先したい」というユーザーから特に強い支持を得ているモデルと言えるでしょう。
XK110のインクはなぜ安い?多角的に比較

※画像はイメージです
- プリンターのインクは純正じゃなくても大丈夫?
- XK110とXK120の仕様の違い
- XK110とXK130の性能の違い
- (参考)TS8530との違い
- (参考)G6030との違い
- 結論:XK110のインクはなぜ安いのか
プリンターのインクは純正じゃなくても大丈夫?
プリンターのランニングコストをさらに抑える選択肢として「互換インク」があります。これは、プリンターメーカー以外の企業が製造した、純正品と互換性のあるインクカートリッジのことです。
互換インク最大のメリットは、何と言っても価格の安さです。純正インクよりもさらに低価格で販売されていることが多く、印刷コストを極限まで削減したい場合には魅力的な選択肢となります。インクを大量に消費するヘッドクリーニングなども、コストを気にせず行えるようになります。
しかし、互換インクには注意すべきデメリットも存在します。
第一に、品質のばらつきです。多くの互換インクは純正品に近い品質を持っていますが、中にはインクの発色が悪かったり、プリンターが正しく認識しなかったりする製品が稀にあります。
第二に、印刷物の耐光性や耐水性が純正品に劣る傾向がある点です。長期間保存したい大切な写真の印刷には、あまり向いていない可能性があります。
そして最も重要なデメリットが、メーカー保証の問題です。互換インクの使用が原因でプリンターが故障した場合、メーカーの保証期間内であっても無償修理の対象外となることがあります。
これらの点を踏まえると、一時的な資料の印刷など、品質や長期保存を問わない用途であれば互換インクも一つの手です。しかし、トラブルのリスクや保証の問題を避け、安心してプリンターを使用したいのであれば、純正インクを選ぶのが無難な選択と言えます。
XK110とXK120の仕様の違い
XK110には、後継モデルとして「PIXUS XK120」が存在します。両者は型番が近いこともあり、どちらを選ぶべきか迷う方もいるでしょう。ここでは、主な仕様の違いを比較します。
機能/仕様 |
PIXUS XK110 |
PIXUS XK120 |
備考 |
発売時期 |
2022年11月 |
2023年10月 |
XK120が後継機 |
液晶モニター |
2.7型TFT |
4.3型TFT |
XK120の方が大きく操作しやすい |
使用インク |
XKI-N21/N20 |
XKI-N21/N20 |
全く同じ |
印刷コスト |
約4.1円(カラー) |
約4.1円(カラー) |
差はない |
印刷速度 |
約10.0ipm(カラー) |
約10.0ipm(カラー) |
差はない |
本体サイズ |
約372×345×142mm |
約372×345×142mm |
全く同じ |
マルチトレイ |
ネイルシール対応 |
ネイルシール非対応 |
XK110のみの機能 |
消費電力(待機時) |
約0.8W |
約1.0W |
XK110の方が省電力 |
両者の最大の違いは、液晶モニターのサイズです。XK120は4.3型と大型化しており、本体での直接操作が多い方にとっては視認性や操作性が向上しています。
一方で、印刷の心臓部であるインクシステム、印刷速度、解像度といった基本性能は全く同じです。したがって、印刷物そのものの品質に差はありません。
面白い点として、XK110はオリジナルネイルシールの印刷に対応していますが、後継機のXK120ではこの機能が省かれています。また、待機時の消費電力はXK110の方がわずかに優れています。
以上のことから、本体操作のしやすさを重視するならXK120、少しでも価格を抑えたい場合やネイルシール機能を使いたい場合は、性能的に遜色のないXK110が非常にコストパフォーマンスの高い選択肢となります。
XK110とXK130の性能の違い
XK120のさらに後継機として「PIXUS XK130」も登場しています。XK110とXK130を直接比較すると、いくつかのマイナーチェンジが見られますが、基本的なコンセプトは継承されています。
まず最も重要な点として、XK130も使用するインクはXK110と同じ「XKI-N21/N20」シリーズです。そのため、A4カラー約4.1円という優れた印刷コストは変わりません。印刷速度や解像度といった基本性能も同等です。
XK120からXK130への主な変更点は、コピー機能とスキャナー機能の一部です。XK130では、問題集の解答部分などを消してコピーできる「カラー消去コピー」や、冊子状にコピーできる機能が追加されています。これは、在宅学習などのニーズに応えた進化と考えられます。
一方で、スキャナーの性能を示す階調(色の深さ)については、仕様上、旧モデルの方が情報量が多い表記となっています。ただし、一般的なスキャン用途で体感できるほどの差はない可能性が高いです。
要するに、XK110から見ると、XK130はインクコストや印刷の基本性能はそのままに、特定のコピー機能が強化されたモデルということになります。特別なコピー機能が不要であれば、価格がこなれているであろう旧モデルのXK110やXK120を選ぶことで、よりお得に低コスト印刷環境を整えることが可能です。
(参考)TS8530との違い
PIXUS XK110としばしば比較されるのが、写真高画質モデルの「PIXUS TS8530」です。両者は外観が似ていますが、コンセプトが大きく異なります。
機能/仕様 |
PIXUS XK110 |
PIXUS TS8530 |
備考 |
コンセプト |
低ランニングコスト |
写真高画質 |
ここが最大の違い |
インクシステム |
5色ハイブリッド |
6色ハイブリッド |
TS8530はグレーインク搭載 |
A4カラー印刷コスト |
約4.1円 |
約12.2円 |
XK110が圧倒的に安い |
液晶モニター |
2.7型TFT |
4.3型TFT |
TS8530の方が大きい |
カラーバリエーション |
ホワイトのみ |
3色展開 |
TS8530は選択肢が豊富 |
消費電力(コピー時) |
約26W |
約15W |
TS8530の方が省電力 |
最大の違いはインクシステムです。TS8530はXK110の5色に「グレーインク」を加えた6色構成となっており、特にモノクロ写真や写真の暗部の階調表現に優れています。写真作品のプリントを重視する方には、TS8530が適しています。
その代わり、印刷コストはXK110が圧倒的に有利です。前述の通り、A4カラー印刷では約3倍の差があります。
したがって、「印刷コストを何よりも重視し、文書印刷の頻度が高い。写真も印刷するが家庭レベルで十分」という方はXK110、「コストはかかっても、少しでも美しい写真作品をプリントしたい」という方はTS8530が、それぞれ適した選択となります。ご自身の主な用途に合わせて選ぶことが大切です。
(参考)G6030との違い
「とにかく印刷コストを安くしたい」と考えたとき、比較対象となるのが特大容量インクタンクを搭載した「Gシリーズ(ギガタンク)」のプリンター、例えば「PIXUS G6030」です。
機能/仕様 |
PIXUS XK110 |
PIXUS G6030 |
備考 |
インクシステム |
カートリッジ交換式 |
特大容量タンク式 |
インク補充方法が異なる |
A4カラー印刷コスト |
約4.1円 |
約0.9円 |
G6030のコストは圧倒的 |
A4カラー印刷速度 |
約10.0ipm |
約6.8ipm |
XK110の方が速い |
初期コスト(本体価格) |
約30,000円台 |
約35,000円台 |
G6030の方が高価な傾向 |
写真画質 |
5色ハイブリッド |
4色ハイブリッド |
XK110の方が写真表現に優れる |
G6030の最大の特徴は、A4カラー1枚あたり約0.9円という驚異的な印刷コストです。これは、インクボトルから本体のタンクへ直接インクを補充する「ギガタンク」方式によるもので、一度の補充で数千枚単位の印刷が可能になります。
しかし、その一方でデメリットもあります。まず、印刷速度がXK110に比べて遅い点です。大量の資料を急いで印刷したい場合には、ストレスを感じるかもしれません。また、インクは4色構成のため、5色のXK110に比べると写真の繊細な色表現では一歩譲ります。
以上のことから、印刷の主目的が「モノクロ・カラー問わず、画質よりも枚数を重視する文書印刷」であり、月間数百枚以上をコンスタントに印刷するようなヘビーユーザーであればG6030が最適です。
対して、「印刷速度と印刷コストのバランスを取りたい」「文書だけでなく写真も綺麗に印刷したい」という一般的な家庭やSOHOのニーズには、XK110の方がより適した選択肢と言えるでしょう。
結論:XK110のインクはなぜ安いのか
ここまで解説してきた内容をまとめると、PIXUS XK110のインクが安い理由は、キヤノンの戦略的な価格設定にあります。この記事で明らかになった重要なポイントを以下に箇条書きで整理します。
- XK110は低ランニングコストを最優先に設計されたプリンターである
- インクが安い最大の理由はカートリッジ自体の価格が従来品の約半分だから
- A4カラー印刷のコストは1枚約4.1円と非常に経済的
- A4モノクロ印刷も1枚約1.6円で文書印刷に強い
- 採用インクは文書に強い顔料黒と写真に強い染料4色の5色ハイブリッド
- 使用するインク型番は「XKI-N21/N20」シリーズ
- 純正インクは高品質で印刷物の長期保存性に優れる
- 互換インクは安価だがプリンター故障時にメーカー保証外となるリスクを伴う
- 後継機XK120との主な違いは液晶モニターのサイズで基本性能は同等
- 最新機XK130ともインクや印刷コストは同じで一部機能が異なる
- より高画質な写真印刷を求めるなら6色インクのTSシリーズも選択肢となる
- 月間数百枚以上の大量印刷ならギガタンクモデルGシリーズがさらに低コスト
- XK110は印刷品質と速度、コストの総合的なバランスが非常に優れている
- 本体価格は標準的だが印刷頻度が高いほどインク代で元が取れる設計
- 利用者のレビューでもインクコストの安さは特に高く評価されている