和歌山のガソリンはなぜ安い?3つの理由と今後の展望を解説

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「和歌山に旅行で来たら、ガソリンが地元の価格よりずっと安くて驚いた」
「和歌山県民だけど、なぜこんなに安いのか昔から不思議だった」

このように感じた経験はありませんか。

実は、和歌山県のガソリン価格は、全国的に見ても特に安いことで知られています。この記事では、和歌山のガソリンがなぜ安いのかという疑問に答えるため、その明確な安い理由を掘り下げます。また、誰でも実践できるお得にガソリンを入れる方法までを網羅的に解説します。

そして、多くの方が気になる、この先も今後も安い状況は続くのかという将来の見通しについても詳しく見ていきましょう。

記事のポイント
  • 和歌山のガソリンが安い複数の理由
  • 県内のエリアによるガソリン価格の違い
  • 誰でも実践できるお得な給油テクニック
  • 製油所閉鎖後の価格動向と今後の見通し

 

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和歌山のガソリンはなぜ安い?全国最安値レベルの理由

和歌山 ガソリン 安い理由

  • ガソリンが安い県ランキングで見る和歌山の立ち位置
  • 安い理由① 製油所からの地理的な近さ
  • 安い理由② 地元業者間の激しい価格競争
  • 安い理由③ 離島がないという地域特性
  • 和歌山市周辺と南部でガソリン価格に差がある

ガソリンが安い県ランキングで見る和歌山の立ち位置

和歌山県のガソリン価格は、全国の都道府県と比較して常に最安値レベルを維持しています。車社会である地方において、ガソリン価格は家計に直結する大きな関心事であり、和歌山県のこの特徴は多くのドライバーにとって大きなメリットです。

例えば、ガソリン価格比較サイト「gogo.gs」が公表しているデータを見ると、和歌山県は頻繁にレギュラーガソリンの平均価格が最も安い都道府県としてランクインしています。時期によっては、最も価格が高い都道府県と比較して、レギュラーガソリン1リットルあたり20円近い価格差が生まれることもあります。

この価格差は、給油量が多くなるほど顕著になります。仮に1リットルあたり20円の差がある場合、50リットルを給油すると1,000円もの差額が発生する計算です。このように、具体的な数値で見ると、和歌山県のガソリン価格がいかに安いかがよく分かります。この安さが、県民の生活を支える一助となっているほか、県外から訪れるドライバーにとっても魅力的な要素の一つになっているのです。

安い理由① 製油所からの地理的な近さ

和歌山のガソリン価格が安い要因の一つとして、製油所からの輸送コストが比較的低く抑えられていた点が挙げられます。ガソリンは原油から精製された後、製油所から各地の油槽所やガソリンスタンドへタンクローリーで輸送されます。当然、この輸送距離が短ければ短いほど、コストは安くなる傾向にあります。

かつて和歌山県には、海南市から有田市にかけてENEOSの大規模な製油所(旧東燃ゼネラル石油和歌山工場)が存在していました。この製油所は2023年10月に石油精製機能の停止という形でその役目を終えましたが、長年にわたり県内、特に紀北地域のガソリンスタンドへの供給拠点として機能し、輸送コストの抑制に貢献してきたと考えられます。

ただ、輸送コストだけが安さの決定的な理由とは言えない側面もあります。例えば、大阪府堺市にも製油所はありますが、ガソリン価格は和歌山県の方が安い傾向にあります。このため、製油所との距離は安さの一因ではあるものの、それだけでは説明しきれない他の要因が大きく影響していることがうかがえるのです。

安い理由② 地元業者間の激しい価格競争

和歌山のガソリン価格の安さを語る上で最も重要な要因は、地元資本のガソリンスタンド事業者による熾烈な価格競争です。和歌山県内、特に和歌山市周辺を車で走ると、ENEOSや出光といった大手石油元売り会社の系列店と並んで、「Selfix(セルフィックス)」や「Gasta(ガスタ)」といった見慣れない看板を掲げたガソリンスタンドが数多く目につきます。

これらの事業者は、特定の石油元売り会社の系列に属さない「PB(プライベートブランド)スタンド」と呼ばれる形態で運営されています。PBスタンドの最大の強みは、その価格競争力にあります。

なぜPBスタンドは安く提供できるのか

Selfixを運営する日商有田株式会社や、Gastaを運営する株式会社石橋の公式サイトでは、低価格を実現できる理由として以下の点を挙げています。

  • ブランド料の削減: 大手元売りの看板を掲げないため、ブランド使用料(ロイヤリティ)が発生しません。

  • 柔軟な仕入れ: 特定の元売り会社に縛られず、その時々で最も条件の良い仕入れ先からガソリンを購入する「毎日入札方式」や「複数仕入れ」を行うことで、仕入れコストを徹底的に削減しています。

  • 運営コストの抑制: 不動産コストを抑えたり、セルフサービスに特化したりすることで、運営にかかる費用を最小限にしています。

このように、徹底したコスト削減努力と「薄利多売」のビジネスモデルによって、大手系列店よりも大幅に安い価格設定が可能となります。そして、一社が値下げを行うと、周辺の競合店も追随せざるを得ないという価格競争の連鎖が生まれ、地域全体のガソリン価格が低い水準で維持されるという構造になっているのです。

安い理由③ 離島がないという地域特性

見過ごされがちですが、和歌山県の地理的な特性も、県全体の平均ガソリン価格を押し下げる一因となっている可能性があります。それは、県内に有人離島が存在しないという点です。

ガソリンを離島へ運ぶには、本土からタンカーや貨物船を利用する必要があり、陸上輸送に比べて格段に高い輸送コストがかかります。そのため、離島のガソリン価格は本土よりも大幅に高くなるのが一般的です。

都道府県別の平均ガソリン価格を算出する際、調査対象にこれらの高価格な離島のスタンドが含まれると、県全体の平均値が押し上げられることになります。和歌山県にはこの「平均価格を押し上げる要因」が存在しないため、他の離島を抱える県と比較して、統計上の平均価格が低く出やすいという側面があるのです。

もちろん、これは価格の安さを決定づける主要な理由ではありません。しかし、前述の価格競争といった要因と合わさることで、和歌山県が「ガソリンの安い県」としての地位を確立する上で、副次的に貢献している要因と考えられます。

和歌山市周辺と南部でガソリン価格に差がある

これまで和歌山県のガソリンが安い理由を見てきましたが、実は県内全てのエリアで一様に安いわけではありません。競争の激しい和歌山市を中心とする北部エリアと、人口が少なくスタンドの数も限られる南部・山間部エリアとでは、ガソリン価格に明確な差が見られます。

これは、同じチェーンのガソリンスタンドであっても、地域ごとの競争環境や輸送コストを価格に反映させているためです。一例として、過去のGastaの店舗別レギュラーガソリン価格を見てみましょう。

地域

店舗名

価格(一例)

和歌山市

Gasta田屋、和佐、紀三井寺

152円

海南市

Gasta下津

152円

有田川町

Gasta有田

153円

田辺市

Gasta田辺、白浜

162円

印南町

Gasta印南

169円

新宮市

Gasta新宮

169円

※価格は2022年3月時点のものであり、現在の価格とは異なります。

   

このように、和歌山市や海南市といった北部エリアと、印南町や新宮市といった南部エリアとでは、1リットルあたり15円以上の価格差が生じることもありました。このことから、和歌山のガソリンの安さを最も享受できるのは、主に競争が激化している紀北地域に住む人々であると言えます。

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和歌山のガソリンがなぜ安いかを知り賢く給油する技

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  • 今すぐ使えるお得にガソリンを入れる方法
  • 週末を狙った給油や提携カードの利用
  • 人気スタンドのプリペイドカード活用術
  • ENEOS製油所閉鎖で今後も安い状況は続く?
  • 安さの裏にある混雑などのデメリットも
  • まとめ:和歌山ガソリンがなぜ安いかは複合的要因

今すぐ使えるお得にガソリンを入れる方法

和歌山県のガソリンはもともと安いですが、いくつかのポイントを押さえることで、さらにお得に給油することが可能です。これらの方法は、和歌山県内だけでなく、県外で給油する際にも応用できる知識なので、覚えておいて損はありません。

日々の少しの工夫が、年間を通してみると大きな節約につながることもあります。次の項目から具体的な方法を解説していくので、ご自身のカーライフに合ったものを取り入れてみてください。

週末を狙った給油や提携カードの利用

よりお得にガソリンを入れるための具体的な方法として、まず「給油する曜日」と「支払い方法」の2点が挙げられます。

曜日による価格変動

ガソリンスタンドの価格は、一週間の中でも変動する傾向があります。一般的に、週明けの月曜日に価格が上がり、週末にかけて徐々に下落し、金曜日から日曜日にかけて最も安くなることが多いです。これは、週末にドライブやレジャーに出かけるドライバーを取り込むための販売戦略と考えられます。必ずしもこの通りに変動するとは限りませんが、急いでいないのであれば週末に給油するよう心がけるだけで、少しでも安く入れられる可能性が高まります。

提携クレジットカードの活用

各石油元売り会社は、提携するクレジットカードを発行しており、これを利用することで割引やポイント還元の恩恵を受けられます。

カード名

年会費(税込)

主な特典

国際ブランド

apollostation card

無料

いつでもガソリン・軽油が2円/L引き。オプションで最大10円/L引き

JCB, VISA, Master, AMEX

ENEOSカード S

1,375円 (初年度無料)

いつでもガソリン・軽油が2円/L引き

JCB, VISA

コスモ・ザ・カード・オーパス

無料

入会後の一定期間、燃料油が割引(店舗により異なる)

JCB, VISA, Master

楽天カード

無料

ENEOS等でポイント還元率アップ。楽天市場での利用もお得

JCB, VISA, Master, AMEX

特定のガソリンスタンドを頻繁に利用する場合は、その系列のカードを持つのが効率的です。一方で、様々なスタンドを利用する方や、給油以外のショッピングでもポイントを貯めたい方には、楽天カードのような汎用性の高いカードも選択肢となるでしょう。

人気スタンドのプリペイドカード活用術

和歌山県の格安スタンドで特に有効なのが、独自のプリペイドカードを利用する方法です。Selfixをはじめとする多くのPBスタンドでは、現金払いやクレジットカード払いよりも、事前にチャージ(入金)したプリペイドカードで支払うことで、さらに大きな割引を受けられるシステムを導入しています。

このシステムの多くは、一度にまとまった金額(例:20,000円など)をチャージすることで、店頭表示価格からリッターあたり2円から3円引きといった、非常に高い割引率が適用される仕組みになっています。

頻繁に車を利用する方であれば、給油の際にプリペイドカードへ多めにチャージしておく習慣をつけるだけで、給油ごとにお得を実感できます。口コミサイトなどでも「プリカ入金で近隣最安値になる」といった声が多く見られ、和歌山の安いガソリンを最大限に活用するための鍵が、このプリペイドカードにあると言っても過言ではありません。利用するスタンドのサービス内容を確認し、賢く活用することをおすすめします。

ENEOS製油所閉鎖で今後も安い状況は続く?

和歌山のガソリンの安さを支える一因であったENEOS和歌山製油所が、2023年10月に石油精製事業を停止したことで、今後の価格動向に注目が集まっています。長年、県内への安定供給と輸送コスト抑制に貢献してきた拠点の閉鎖が、価格にどのような影響を与えるのかは、多くの県民が気にかけている点です。

一部では「タンクの在庫がなくなったら値上がりするのでは?」といった懸念の声も聞かれます。実際に、製油所の閉鎖によって和歌山県への輸送距離が以前より長くなることは避けられないため、長期的には輸送コストの増加分が価格に転嫁される可能性は否定できません。

しかし、前述の通り、和歌山の安さの根幹を支えているのは地元業者間の激しい価格競争です。この競争の構図がすぐに崩れるとは考えにくく、各社が顧客を維持するために、値上げを最小限に抑えようと努力することが予想されます。

したがって、製油所の閉鎖が価格に与える影響は無視できないものの、直ちに和歌山のガソリンが全国平均レベルまで高騰するとは考えにくい状況です。今後も、他府県に比べて比較的安い水準は維持される可能性が高いですが、その価格差は以前よりも縮小していくかもしれません。

安さの裏にある混雑などのデメリットも

和歌山のガソリン価格の安さは大きなメリットですが、その裏にはいくつかのデメリットや注意点も存在します。

最も分かりやすいデメリットは、人気の安いガソリンスタンドにおける「混雑」です。特に価格競争が激しい和歌山市周辺の有名店では、週末や給料日後の夕方などは給油待ちの車の列ができるのが日常的な光景となっています。口コミでも「平日に行くのがおすすめ」「時間に余裕がある時に行くべき」といった声が多く、貴重な時間を給油の待ち時間に費やしてしまう可能性は考慮しておく必要があります。

また、過度な価格競争は、ガソリンスタンド側の経営を圧迫するという側面もあります。薄利多売のビジネスモデルは、利益率の低下を招き、設備投資や人材確保が後回しにされるリスクをはらみます。過去には、コスト削減を追求するあまり、品質管理上のトラブルが発生したという報告例も皆無ではありません。

消費者としては、単に価格の安さだけで飛びつくのではなく、店舗の清潔さやスタッフの対応、設備のメンテナンス状況なども含めて、信頼できるガソリンスタンドを選ぶ視点を持つことが大切です。

まとめ:和歌山ガソリンがなぜ安いかは複合的要因

この記事では、和歌山県のガソリンがなぜ安いのか、その理由からお得な給油方法、そして今後の見通しまでを詳しく解説しました。最後に、本記事の重要なポイントをまとめます。

  • 和歌山のガソリンは全国でも最安値レベル
  • 安い県ランキングでは常に上位に位置する
  • 安い理由の一つは製油所からの輸送コストの低さ
  • ただしENEOS和歌山製油所は2023年10月に閉鎖済み
  • 最大の理由はSelfixやGastaなど地元業者の価格競争
  • 大手ブランド料がかからない独自経営が強み
  • 離島がなく県全体の平均価格が上がりにくい点も要因
  • 県内でもエリアによって価格差は大きい
  • 和歌山市など北部は特に安く南部は比較的高め
  • お得に給油するには週末を狙うのがおすすめ
  • 提携クレジットカードの利用で割引やポイント還元がある
  • 格安スタンドのプリペイドカードはさらに割引率が高い
  • 製油所閉鎖による今後の価格上昇が懸念されている
  • 安いスタンドは土日を中心に混雑しやすい
  • 価格だけでなくサービスや品質も考慮して選ぶことが大切
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